といろきっずでは、普段の保育計画の中に運動やリトミック、今月の絵本・今月の歌、戸外活動や園内での製作等、0〜3歳未満児の園児が様々な遊びの体験機会を通じて学びが得られるよう設定保育に取り組んでいます。
今日は「運動あそび」についてご紹介します。
講師は幼児・児童専門の総合トレーニング教室を運営するJASSBAの先生。毎月一回、各園にお越しいただいて活動を行なっています。
JASSBA(社団法人 日本スポーツサポートベース)について
0・1・2歳児にとっての運動プログラム≠運動能力の向上
運動といっても、といろきっずの園児は0〜3歳児未満で何かを教えこむような時期ではないので、何よりも子どもが自ら五感で遊ぶことを通じて、様々なことを獲得していくことを大切にしています。
なので、運動能力の向上を一番のねらいとしたものではありません。
といろきっずでは、保育理念「十人十育」から、以下の保育目標を設定しています。
その子らしい未来のための「5つの根っこ」を育む
①確かな自己肯定感による主体性
②豊かな発想と表現力
③生活の基礎を理解し実践する力
④人の話を聞く力・人に思いを伝える力
⑤相手を思いやり行動するやさしい心
この5つの根っこを育むためのプログラムとして「運動」を通じた「遊び」による「発達機会づくり」として運動あそびを行っています。
お友だちと体を使って遊びながら得られるもの
運動あそびでは、コーンやボールなどの道具を用いながら身体を動かして楽しむ活動を行なっています。
「走る」「ジャンプする」「しゃがむ」といった様々な動作を経験することで、運動能力の向上に寄与する面も大きなメリットですが、それ以上に大切に考えているのが子どもの社会性の根っこを遊びながら(遊ぶのを通じてだからこそ)獲得するプロセスです。
「やってみよう!」
「やりたい」と積極的な子もいれば、後ろで慎重に様子を観察する子もいます。しかし育ちには連続性の視点が重要で、毎月決まった先生が、少しずつ、そういった一人ひとりの反応や様子を踏まえながらカリキュラムを構成し、どの子にも小さな目標が一つ設定されるように工夫を凝らしてくれています。
ですので、新入園児のいる年度はじまりから3ヶ月後、半年、年度後半、年度末の様子を段階的に見ていくと驚くべき変化・成長が見られます。(子どもって本当にすごいですね!)
小さな目標がひとつできるようになっていくことで「その子にとっての」成功体験が得られ、重ねられ、0〜3歳未満児期の育ちに大切な自己肯定感や非認知能力の根っこを育むことにつながります。
また、お友だちと一緒に取り組むことで、応援し合う、列に並んで順番を守るといった社会性を身につけていきます。
これが主たるねらいです。
「並んでー!」と先生が大きな声で促して子どもに言うことを聞かせるような場面があるとします。
これは子どもの自己決定ではなく、単なる言い聞かせに近いのではないでしょうか。佐々木正美先生の言葉で言えば、偽りの前身とも言えます。もう少し上の年齢の子どもたちなら状況によっては意味があることかもしれませんが、3歳未満児にこれをやるべきではありません。
逆にいえばこのように指示命令をよく聞ける子は、大人がよく言う「良い子」なようで実際には「大人にとって都合の良い子」になだけです。
たくさん褒められる。「しっかり見てもらっている」状況をつくる
先程述べた通り子ども十人十色で反応は様々なので、「見て!」という子もいれば、おどおどしつつもやってみる子、全く関心を示さず一人おもちゃで遊ぶ子、色々です。
その、反応を拾って、ある事を全体でしているときでも一人に応答的な関わりを持つこと。それが私たち個に寄り添いたい願いの実践をするチャンスだったりします。
小規模保育は、全職員が同じ場所で小集団の中にいる一人の子の社会的参照を、すぐ拾い応答できます。その良さをしっかり保育の中身に活かしていきたいです。