日々のこと

保育観は「保育者の主観」でしかない

保育観という言葉があります。

保育者が、保育という仕事に取り組む上で大切にすること。

保育士は専門職で国家資格であり、個々の経験則や知識、技術が大事なのは言うまでもありません。しかしながら、士業といわれる個の仕事の提供価値が問われる専門職とはかなり異なる、チームワークを前提にした職業です。

専門職な人同士で、過去の経験や事例をもとに積み重ねてきた個々の価値観をテーブルにのせて議論をしたらどうなるか。

大抵は、不毛に終わります。

子どもの最善の利益を目指す保育園での仕事なのに、そこに子どもが客体としてしか存在しないからです。

「これまで勤めていた園ではこうやってきた(他のやり方など考えられない)」

「保育というのはこういうもの(と、私は思っている)」

先生主体の大人都合な保育に行き着いて終わります。

声が大きい人、主張が強い人に軍配が上がったようになり、控えめな人が我慢や無念を抱きます。本当に下らないことが、保育園という職場で起きがちです。

子ども主体、という言葉は今の時代にますます重要視されよく聞かれるワードですが、十人十育を保育理念に掲げるといろきっずでも考え方の根本に据えているものです。

この考えをベースに突き詰めると、保育者が個々にもつ保育観は、子ども主体の保育を展開したい保育園であるならば…必要がなくなるどころかマイナスに思えます。

かわりに据えるべきは、もう一つレイヤーを上げた、「子ども観」になります。

といろきっずは、0~3歳(2歳児学年)までの小規模保育園と、就学前に専門的な発達支援が望ましい子どもたちを対象にした児童発達支援を運営をしていますが、まず、その年齢あるいは特性をもった子どもの「発達」を理解しないとお話になりません。

さらに、

「2歳ならここまでできるのが普通」とか、「この子は◯◯という特性がある(に違いない)から、こうだよね」というのは、発達の理解ではなくその保育者の主観の押し付けでしかない。

発達の理解、子どもの理解の本当の意味は、年齢や目安となる解釈の「標準」を知識として持ちながら、子どもを誰かと比較して評価したりするのではなく、あくまでも絶対的な存在としてどれだけその子の内面を読み取るかが鍵になるものと思います。

年齢月齢や生育歴、生活環境、生活リズム、色々な連続があってのその子の今を、観察したり記録したり、ケース会議で多面的に見立てをしたりで検討を深めます。この時点でも、仮説づくりにすぎないので保育実践には計画・実践の後に、振り返りが大事で、さらにその後の柔軟な変更が大切になります。

この臨機応変な保育対応というのに慣れていない保育者は多いと思います。

年間指導計画、月間指導計画、設定保育、さらにいつもの日課。これらを子どもに合わせて都度変えてしまうことは、「保育を回す」スキルが求められがちだった過去の仕事に染まり切っているとはじめは戸惑います。

でも、プロ意識の高い保育者であれば、トライアンドエラーはあれど、子ども主体へのチャレンジが自身のやりがいにつながることは明らかです。

未曾有の保育士不足で、保育士という資格を持っていたら超売り手なので仕事は簡単に見つかるかもしれません。

けれども、私たちは人手としての採用から脱却し、この自覚や理念、子ども観の共有ができる人だけの集団に、5年かかりましたがやっと共鳴が生まれるようになりました。

今日、といろきっずの担当役員が講師となり月一回行っているリーダー研修がありました。最後10分程参加して、このような話をしました。

リーダーの顔ぶれを見て、また、それぞれの園の先生たちの顔を目に浮かべ、90名近くなった組織ですがといろきっずだからこその文化というか、共通の価値観というものを誇らしく思えました。

「子ども一人ひとりのために」を単なるスローガンではなく、私たちがいつも立ち戻る原則にしながら、より良い保育を目指していきたいです。

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