十人十育の実践

保育園で提供している給食のレシピ紹介サイトを作ったもう一つの理由

小さな保育園「といろきっず」の家庭的給食レシピ集『十人十食(じゅうにんとしょく)by TOIROKIDS』

サイトにも立ち上げた背景を書いていますが、きっかけになったのは、今年の4月、保育園の登園自粛期間中に「おうちで過ごす園児や保護者の皆さまのために何か出来ることはないだろうか?」という思いから始めた給食室のInstagramでした。

「Instagramだとフィードで流れてしまうので、もう少し便利で実用的な発信はできないだろうか」

Webメディア化することでよりお役に立てたらと考え制作しましたが、当然ながら相応の労力と時間がかかりました…。

それでもこのプロジェクトを進めてリリースを目指したのには、もう一つ理由がありました。

「保育所の3つ目の役割 ”地域の子育て家庭支援” を、小さな保育園なりにやれることで形にしたい

行政から認可を受けて運営する保育園は、大原則として「保育所保育指針(厚生労働省告示)」に沿って日々の保育を、園や法人それぞれに理念や特色をもって展開しています。

この保育所保育指針には、「保育所の役割」が3つ定められています。

1 保育所保育に関する基本原則
⑴ 保育所の役割
ウ 保育所は、①入所する子どもを保育するとともに、家庭や地域の様々な社会資源との連携を図りながら、②入所する子どもの保護者に対する支援及び③地域の子育て家庭に対する支援等を行う役割を担うものである。

出展:厚生労働省「保育所保育指針」より抜粋

平たく言うと、

①園を利用している園児のための保育(最善の利益、福祉の増進)
②園を利用している園児の保護者のための支援(家庭との緊密な連携)
③園の地域の子育て家庭のための支援

①②は日々の保育運営そのものですが、この③「地域の子育て家庭のための支援」について、小規模保育は施設の規模や職員の人数体制、運営基盤(オカネ含めて)等の制約があり、どうしても実現する形が限られてしまいます。
親子広場としての場の提供や園庭開放、一時保育など、環境提供・機会提供の担い手になるのは難しい部分があります。

自治体が取り組む「赤ちゃんの駅(近隣の子育て家庭の方に、授乳や調乳、オムツ替えなどで気軽に立ち寄っていただける場として保育園をご利用いただくもの)」に手を挙げて看板を出したり、乳幼児の栄養に関するお便りを作成して園の入り口に「ご自由にお持ち帰りください」と書いて配布したり。色々とやってきましたが、恒常的に地域の子育て家庭のお役に立つための施策を行うというのは中々できずにいました。

そんな中、私たちが広く一般的にも役に立てるのではないかと考えてきたのが、園で子どもたちに提供している給食のオリジナルレシピという「コンテンツ」でした。

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子育てにおける「食」の悩みや不安は全国共通です。

そして、私たちのような小さな保育園の「子どもにとって」「親御さんにとって」最大の利点となる特徴の一つが、給食だと思っています。
保育室のすぐそばにレイアウトされた調理室で、毎日手作り給食を作っていますが、必要に応じて、園児に合わせて食材の固さや盛り付け量、刻みまで個別にアレンジしたりしています。

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また、といろきっずでは給食会議とは別で毎月、調理員が子ども一人ひとりの喫食量や食の進みのペース、摂取経験のある食材やアレルギー、保護者の方が気にされているお悩みなどをタイムリーに把握する担当者会議を行っています。
調理員が直接子どもたちと話したり、給食を食べている様子を見たり、子どもたちも調理員を「給食のせんせい🤗」と親しんでいたり、小規模保育にはまさに文字通り、「家庭的」な乳幼児食の調理・工夫のプロセスがあります。

保育の中で行う食育活動も、保育士だけでなく調理員がパネルシアターや食材に触れるあそびに参加して一緒に楽しんだり、とにかく保育と給食、食育がシームレスなのですが、その中で行う食に関する創意工夫や一手間は、育児中の親御さんにとって普遍的なものであり、参考材料にしていただけるもが多々あると感じてきました。

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毎年1回か2回、保護者の皆様から食や栄養に関するお悩みを寄せていただくアンケートを取り、栄養士や食育の観点からお答えする取り組みも行なっていますが、そのQ&Aの内容は園の保護者様かどうかに限らず、子育て中の親御さん皆さんが普段から抱えている共通のお悩みだったりします。

また、家庭では「せっかく作ったのに食べてくれない…」というお悩みも多いと思います。
舌ざわり、におい、見た目、量あるいは、子ども自身のこだわりや感覚過敏、発達の特性など…乳幼児がその食材・料理を「食べたくない!」と思うのには理由があります。
保育園や発達支援教室の現場では、子どもたちが楽しく色んな食材を摂食できるように、そして何より「どうしたら子どもたちに食を好きになってもらえるか」を考え、絶えず趣向を凝らした献立を考えています。

このように、小さな保育園で行なっている「家庭的給食」のプロセスや内容を、そのまんまオープンにしていくことで、少しでも子育て家庭のママパパのお役に立てればと思います。

「十人十食(じゅうにんとしょく)」はまだ始まったばかりのサイトですが、継続的に情報発信し、私たち自身も楽しみながら!愚直に運営していきたいと思います。

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